まず、人が集まらなかったらどうしようという心配があった。
心配したってどうにもならないので、のこのことアホ面下げて出張っていったわけである、この日のためにドングリ頭にだってしたのだし。
会場には、懸念した閑古鳥はおらず、ごくまっとうな哺乳類ホモ・サピエンス、またの名をお客様がいらっしゃって、また、お料理も早い段階でなくなったとうかがって、うれしくなった。ありがたい。
これがクリスマス当日じゃなくて本当に助かった。
当日だったら、ブックセンターの職員さんと私だけになってしまったじゃないか。職員さんに申し訳ない。彼らは仕事だからそこに、手を前で組んだりして立っているわけである。
クリスマス当日で、かつ仕事じゃなかったら家でコタツに当たりながらケーキやフライドチキンを味わっているのである、家族や親しいひとたちと。
それが、家族でもなく親しくもない訳の分からんドングリ頭のおばちゃんに聖なる日をつきあわせてしまうところだった。絞殺されてもしょうがないシチュエーションだろう。
イベントは、飲食店さんのご協力を得て、拙作の中に出てきた料理を再現して提供するというものと、コミュニティFM「BeFM」のパー
私が関わったのは、ご安心を、料理ではない。命拾いしたと思ったことでしょうなあ。
事前に、トークのお相手が大地球さんだとうかがってから、ここだけの話、私は地球丸さんと心の中で呼び間違え続けていた。
全く自分は何をやらかすか知れたもんじゃないのだが、当日ばかりか、前段階でしっかりやらかしていたのである。
今日は口を引き締めて臨んだ。
絶対に失言はすまい。余計なことは言うまい。お口はミッフィーで。
ところが、なんということでしょう。
地球丸……じゃなくて、大地球さんの誘い水に乗ってベラベラベラベラベラベラベラ話してしまった。
せっかく足を運んでくださった方、謹んでお悔やみ申し上げます。料理に私が関わらないってことでせっかく拾った命を、トークにいらっしゃったがゆえに落とされたかもしれなくて。
致命的なダメージを受けなくとも、頭痛程度ですんだ幸運な方、神に感謝してください。先祖に感謝してください。私んちにある、漬物の壺を買っていただければもっとご加護を受けられます。返品交換は受け付けません悪しからず。
一時間ばかり喋った。
すごくまじめな話をした。
真剣な話だ。
襟を正して話させていただいた。
内容を一言でまとめると、私の適当極まりない人格と人生の一部をさらしたトークとなった。
これを聞いて、いったい誰が得するのか、と。
師走のくそ忙しい時に。
どうせ聞くならラジオ体操のほうがまだましだったんじゃないだろうか。
深いいい話を期待して来場された方には申し訳ないが、
またこういったイベントがあったらいいなと思っています。
その際は、体調を万全に整えて、冬景色の津軽海峡を泳いで渡れるくらいの体力をつけていらっしゃってください。
また会いましょう。