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山のふもとのブレイクタイム

 

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本日発売

「山のふもとのブレイクタイム」

の紹介をさせてくださいませ。

 

こちらは2019年11月刊行しました「山の上のランチタイム」の続編です。

ランチタイムは美玖が主人公でしたが、

ブレイクタイムは店長の明智登磨が主役です。

 

料理バカのイケメンはいつ作られたのか。彼が彼となったキーマンの登場と、彼の家族の様子と、彼の友人知人が続々絡んできます。

 

1章 春。

夢中になれるものとの距離の測り方は誰しも難しい。

 

甥っ子・中学三年の瑛太の同級生・早苗。テニス部部長。しっかり者でお姉さん的存在の彼女が来店。

中学校時代最後のテニスの試合が迫る中、早苗はコートに立つことはかなわなかった。

葛藤を抱えぬ人はいない。

彼女の葛藤と心の底を見た料理バカの登磨は、どう対応するのか。

 

2章 夏。

自分の中に通る一本柱。自分を自分たらしめているその柱のルーツを掘り起こす日。

 

登磨の同級生の馬場健(たける)。農家や一般のひとから農作物を預かって缶詰に加工する稼業を継いでいる。母と退院したばかりの祖母・ハナを連れての来店。

ハナは認知症を患っている。何もかも忘れていく中、これだけは譲れないとばかりにしっかり記憶に刻んでいることがあった。

ハナを前に、登磨は、中学生だった自分と祖母の日々を思い出す。

 

 

3章 秋。

その頑張りは本当に自らの意志でしているのですか?

ひょっとしたら、違うのかもしれませんよ。

 

登磨の同級生の工藤陽菜(ひな)。優等生だった陽菜は今東京で働いているのだが、休暇をとってこちらに帰省した。この度、登磨がレストランをやっていると聞いて来店した。

意地っ張りで頑張り屋さんの彼女の性質は今でも変わっておらず、ダイエットをしているとかで、ガリガリに痩せ細っている。何事にも徹底的に取り組む彼女のその並々ならぬ、ある種使命感すら感じられるその性質を培ったもの、そしてその原動力はいったいどこからくるのか。

そこに、食べさせることが最も好きで、これまで自分の料理を褒められることで自信満々に生きてきた登磨自身の課題が見えてくる。

 

4章 冬。

人間誰しも、「こいつと会うとろくなことが起こらない」という相手が少なくとも一人はいる。

 

登磨の同級生の西野将晴(まさはる)。隣の街、八戸市の新聞社に勤めている記者だ。

この本の中で最も私が書きやすかった男である。癖が強い。そして自分本位。わがまま。小狡く、およそ、多くの公明正大品行方正紳士淑女の方々が蛇蝎のようにド毛嫌いするタイプである。

西野がレストランを記事にし、そのおかげで店は大繁盛。

ところが「大繁盛やったー」と喜んでばかりはいられなくなってくる。

その後、再び西野がやってくる。

登磨は彼を、持ち前の飄逸さで交わしていたが、そうしてばかりもいられなくなってくる。

西野は、取材のほかに狙いがあって登磨に近づいたのだった。

 

 

今回も編集Yさんや校正さん方々に大変助けてもらいました。

 

「山のふもとのブレイクタイム」

よろしくお願いいたします。