
お相撲のお話を書こうと思った。
お相撲のことは何も知らないのに。
書籍を調べて、決まり手とか、反則技とか、あれはふんどしじゃなくてまわしと呼ぶんだとかそんな初歩の初歩からの取っつきだった。
初めは単純な物語だった。弱い子と強い子の対決だ。
ところが、敏腕編集M氏とのやり取りの中で、世界の分断を表現しようということになり、話がでかくなってきてにわかに私の界隈(住民1名)がざわついたのを覚えている。
自分にとっては心地よい空間でも、すべての人間やこの世界にとってそうだとは限らない。
エアコンの温度設定一つとってもそうだ。離婚の危機すら招く。みそ汁の塩分濃度とかタオルの畳み方で嫁姑間に亀裂が入ったりもする。
私は幸いにも夫も姑もいないので、その辺の心配は一切なく自由にやらせてもらっているが、家族は苦労していると思う。
森の仲間たちも同じ。
日々の生活の中で、憤懣が積もっていく。そしてある日ついに爆発した。
相撲で、憤懣の原因に決着をつけようというのだ。
森の動物たちはいいな。相撲で決着をつけられるんだから。
アメリカとイランがお相撲で決着をつけたらいいのに。少なくともトマホークだのセジルだのをぶち込み合うよりましだ。なにしろお互い、ふんどし……じゃなくて、まわししか身につけてないんだから。
さて、物語では勝敗はどうなるのか。うずまく憤懣に決着はつくのか。
挿絵の下平けーすけ先生、水彩のような淡くて柔らかで清々しい色合いで森の美しさを表現してくださり、また、どのページを切り取っても動物たちの躍動感のあるイラストを描いてくださいまして誠にありがとうございました。
今回も編集M氏には一から十までお世話になりました。また、私の壊滅的タイトルセンスにたまりかねて決めてくださり、ありがとうございます。次の作品のタイトルもよろしくお願いします。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
「ぼくたち、ともだち?」
2026.8.4 文研出版から刊行です。
どうぞよろしくお願いいたします。





