さる10/10. 八戸ブックセンターさんの企画で、南部どきというカフェにて、RABラジオのパーソナリティの夏目さんとの対談の続き。
パソコンのセッティングは熊澤さんがしてくださった。私のように触る端から破壊せしめるといったことはなさそうだ。彼女にかかれば文章入力ソフトだってよもや「指す」を「刺す」に変換などしてこないだろう。機械も、機械以外も主人を見るのである。見る目なら私よりあるだろうちくしょう。
私も来世あたりは電子機器をスマートに扱える人間として生まれてこよう。人間がだめなら、電子機器が得意なAIでもいい。
太田さんが写真を撮ってくださる。フレアスカートで椅子にも上がる。意外とアクティブな姫である。
こうして対談が始まった。
内容は「山のふもとのブレイクタイム」と「柊先生の小さなキッチン」についてである。
自慢じゃないが、私は自作をあまり覚えていない。その才能の影響力は広範囲に及び、自作だけでなく日常生活にもいかんなく発揮されている。
途中、夏目さんに言われたシーンについて記憶がなく、そんなシーンあったっけときょとんとして、うっかり、それは私が書いたものですか? チンパンジーあたりが書いたもんではなかとですか? と急にどこかの方言が出てきて、頭の中でどこかの地方のチンパンジーがてんやわんやしていく。
夏目さんが丁寧に説明してくださって、お盆のシーンを思い出した。
お盆には定番のキュウリの馬やナスの牛をこさえ、迎え火を焚くが、こちらでは仏さまが新しいうちは、「48灯篭」というものも立てる。組んだ木材に、小さなろうそくを48本灯すのだ。それが珍しいとおっしゃっていただいた。あれは、編集さんとの会話で48灯篭の話に流れ、編集さんはご存じなかった。この地方独特のものというのを私は初めて知った。編集さんが「特徴的なので、描写しましょう」とおっしゃってくださったためにあの光景を組み入れたのである。
そういうエピソードを話していく。あんまり詳しく覚えてないけど。
続く――――。