「電源ボタンを押して一旦パソコンの電源を切ってください」
とサポートセンターのお姉ちゃんは言いました。
「はい。切りました」
「では、電源を入れてすぐにｆ２を連打してください」
「はい。電源オンしました。連打します」
「今画面はどうなってますか」
「白い矢印が出て、固まってます」
「………………………もう一度電源ボタンを押して一旦電源を切ってください」
「はい。切りました」
「では、電源を入れてすぐにｆ１２を連打してください」
「はい。電源オンしました。連打します」
「今画面はどうなってますか」
「白い矢印…………も、出てません。真っ暗です」
「…………………………………………………………………………………」
あたしゃねえ、お姉ちゃんがブラックアウトしたか、ログアウトしたか将来に絶望したかと思いましたよ。しかしお姉ちゃんはプロでした。
「修理は出張になさいますか？ お引取りの上、工場での修理になさいますか？」
ぶっちぎりの切り替えの速さがプロの証でした。
ちなみにマザーボードと電源タップ交換とのことですが、パソコンに詳しくない私には、基礎工事から組み直し、というイメージが付きまとい、パソコンが他人に思えない。
