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白い息の存在感

戸締りの確認のイラスト(外側)

 

帰宅したら、玄関に鍵がかかっていた。

窓から明かりが漏れている .。テレビの音も聞こえてくる。家族は在宅中である。

田舎は、家族が帰ってくるまで、たいてい鍵は開けておくものだ。

締め出しか。

遺憾に思う。

非常に、遺憾に思う。

次に思うのは、締め出される理由である。

心当たりがありすぎて、思い出す先から忘れていく。

 

鍵は、たぶん、会社に置いてある。なくしてなければ。

何のための家の鍵だというなかれ私は携帯電話を置き忘れる人間である。自分自身さえ置き忘れるくらいなのだ。

 

 

気温 -3℃

息が白い。

何の罰か。

 

呼んで、中から鍵を開けてもらった。

家の人はびっくりしていた。

「あんたまだ帰ってきてなかったの!? てっきり部屋にいるんだと思ってた」

存在感が、白い息より薄い。