青森県にて小説と児童文学を書いています。  著作物は、右サイドバーの著作物一覧からご確認いただけます。よろしくお願いいたします。

化粧水

あけましておめでとうございます。

 

 

乾燥の季節になり、化粧水を変えて数日。化粧水のイラスト

奮発したそれ。保湿とか美白とかシミとか、いろいろ書かれてたけど読むのが面倒くさかったのでとりあえずなんにでも効くらしい、って自分なりにまとめて、で注文したもの。

 

本日、お父様がバッシャバッシャとお使いあそばされているのを目撃。

「お、お父様何を使われてらっしゃるの……?」

 声は震える。

 父は振り返って、困った顔をしている。

 ひとの、奮発したおフランス製の化粧水を、惜しげもなく使い倒して、困った顔を、しているのである、このお父様は。

「これぁ、ヌラヌラするじゃ」

 そりゃあそうじゃろう、バカ殿様。それは保湿しっとりタイプなのだ。脂っぽい親父が塗りたくったら、永久にぬるぬるしたままに決まってるじゃないか。おぼろ昆布のようにヌラヌラし通しなのじゃ。

 

「そのひげ面になら、米のとぎ汁でも塗っとけ!」

と怒鳴りたいのを渾身の力でこらえる。

なぜなら、私は人間である。

怒りに任せて怒鳴り散らすのでは獣と一緒だ。

「お父様、そこにある一升瓶のぽん酒がさっぱりして美白効果もあって塗ってよし飲んでよし、ですわ」

「美白効果かあ……いンや。おらぁ、ヌラヌラするの我慢すて、こっちの瓶のでいいや」

「いくなーーーーい!!」