かかとが割れました。
くす玉だったらめでたかったのに、かかとだよ。小島じゃないよかかとだよ。
会社帰りに、見事に割れました。
ここに、そのかかとの写真を載せてやろうかと、八つ当たり気味に思ったのですが、
さすがにババアの割れたかかとに需要があるかと言ったら、ゾウの尻のほうがよっぽど需要があるだろうということで、なけなしの理性を引っ張り出して、思いとどまりました。
もう一歩も歩けません、家に帰って保湿クリームを塗りたくろうと息絶え絶えに帰ると、
なかった。
ボトルが空っぽだった。
家から、お店まで10分はかかる。10分歩けと? 一歩も歩けねえつってんのに。でも行かねばかかとは割れたまま。南極のクレバスのように深々とした底の見えない裂け目を抱えたまま一生いけ、と?
停電になって、懐中電灯を探すために明かりが必要で、でも今停電中だから明かりがつけられない、というのと同じジレンマ。
考えましたよ奥さん。
必要は発明の母とはよく言ったもので、
思いつきました。
リップクリーム!!
チベットスナギツネのような目になったでしょう?
中途半端に使って、長い間放置していたそれを塗りました。
天下のメンソレータム。
これといって、かかとに爽快感はなく、ほのかに温かい。
これで、クレバスがふさがれば、あしたお店まで買いに行ける。
……………………………………………………ふさがったら、行く必要なくね?