先日、学生時代の話をしたので、
今日は修学旅行(高校篇)をお送りさせていただきます。
今はすっかり海外旅行も普通になってきたのだろうが
当時、うちの学校の行き先は、沖縄だった。
三泊四日くらいだったと思う。
空港に着いたのっけからの雨風。
それは滞在中一度も手を緩めることなく続いた。
「え、太陽ってなんですか」ばりの見事な雨天で、
唯一、帰りの空港で見上げた鮮やかな青空が非常に印象に残った。
二日目だったか三日目だったかの朝、風呂に入っていて集合時間ギリギリになってしまい、服を薄がけ布団の下におしこんで体裁だけ整え部屋を飛び出した。
バスで蛇園みたいなところに連れて行かれた。
蛇園と知っているみんなのテンションはがた落ちだ。
だって、こっちはバッグの仕入れを仕事にしてるんじゃねえんだ、罰ゲーム以外の何物でもねえもの、蛇園なんて。
私たちはみな、護送中の気分だった。罪状は、授業中の早寝早弁、トイレでの喫煙、飲酒、許可なしのバイト、出入り禁止の店への入店くらいであろう。こんな可愛らしい罪に対する仕置が、蛇園送りとか、苛烈すぎやしまいか。
そこは、南国の花やシダ植物が園中にあしらわれていて、植物園も兼ねているみたいだった。天井からは鉢植えの植物や、つる性の植物がぶらさがっていた。
そんな中、蛇が、鳥かごだか虫かごに入れられて、天井から吊るされていた。
蛇柄の観葉植物ですが何か的に。ほんとにすごくさりげなく普通っぽく。めんそーれ、よくあるさ~、みたいに。
そばを通ると、蛇は「しゃああああ」と口を開けて牙をひけらかした。私も「しゃああああ」とやったが、相手は怯むどころか尻尾を立て、やる気を漲らせただけだった。虫歯の治療痕しか見せるものがないのだから、しょうがないと言えばしょうがないが。
マングースの闘いも見た。イタチみたいに長い体をして毛の生えた四つ足の生き物が蛇に襲い掛かった。とどめを刺す前に引き離されるのを見て、釣りにおけるリリースを思いだし、なんとも言えない気持ちになった。
パイナップル園みたいなところにも行って、普段は缶詰しか食ったことねえのに(というか風邪の時くらいしか食わなかった)生のパイナップルを食べ、新鮮! 生っぽい! とアホ丸出しの感想を述べ、
一日のスケジュールを終えてやれやれと戻ってきたら、
整えられたベッドの上に
見たことのある下着がきちんと畳まれて揃えられていた。