最近、ほとんどブログを書いてなくて、じゃあ何を書いていたのかというと
いびきとか背中とかそういうのをかいていたんです、って由緒正しい昭和のギャグ。
1月19日に発売される
「あずきの絆 ぼくが図書室で出会った妖怪」
の話をさせてください。
自分が好きなものを、周りに否定される5年生の主人公と、常に落ち着いて冷静な判断を下しつつもその判断が天然に寄っている6年生の男子が、図書室で小豆洗いに出会う。
小豆洗いは、ままならぬものを抱えていて、主人公は自分自身の中にあるものと小豆洗いの事情を重ねる。小豆洗いの「問題」を解決するために2人の少年は奮闘する、日常と妖怪の世界が混じり合う話だ。
こちらは、私が投稿時代に児童文学を応募した岩崎書店さんのジュニア冒険小説大賞で佳作をいただいた際に、ご縁をいただいた編集Oさんと二人三脚で出せた本だ。
ジュニア冒険小説大賞での佳作がどれほど嬉しかったことか!(連絡をいただいた時に、詐欺だと疑ったけども)それまで賞らしきものをいただいたことがなかったのだ。
Oさんは、それ以来、折に触れて連絡をくださった。ずっと待っていてくださった。
こんなうだつの上がらない人間を気にかけていてくださった希少で貴重な方である。日本が保護すべき方である。
よって、私は長い間、絶対にここの出版社から出すと決めていた。
この時の授賞式で、私は初めて、個人で東京さ行ったのだ。オラ東京さ行ったのだ。
東京は修学旅行で行ったことがあるくらいでほとんど知らない。テレビもあまり見ないから東京の街がどういう風なのかもさっぱりわからなかった。そうはいっても、なんとかなるべ、日本語通じるべし、とワクワクして向かった。
授賞式は神楽坂というところでだった。乗り継ぎの電車もどれに乘ればいいのか分からなかったから、駅員さんに尋ね、駅に降りてまずどっち側の出口に出ればいいのかをまた駅員さんに尋ね、駅を出てからは何人もの方に会場となる建物までの道を尋ねた。ある妙齢の女性はご親切にも近くまで連れて行ってくださった。
東京は人が多いなと言うのは言うまでもなく、私にとっては建物が多いな、道路が広いな、という印象のほうが強かった。あと、色々におう、ということも。
授賞式で一番気になったのは、ストッキングがずり落ちてくること。その授賞式の後の飲み会会場まで行くのもストッキングをタルッタルにずり落としながらなんなら引きずりながら会場まで行ったことを覚えている。踏まれなくてよかった。
受賞の言葉をしゃべりながら、会場を見回して校長室みたいだなあと感心していた。左手に出版社さんや関係者さんがいらっしゃって、右手に審査員の先生がいらっしゃった。
受賞の言葉は何をしゃべったのか覚えていないが、何かは喋ったんだろう。大賞受賞者さんが神社でおみくじを引いたエピソードをお話になってらして、面白かった。
佳作になった拙作は、5人の妖怪と少年が少女を助ける冒険の話だ。
今検索したら、書評が残っていた。
こちらの物語は私の手元にはなく、もちろん本にもなっていない。詳しい内容は忘れてしまった。
くしくも、今作の妖怪話とリンクする。
そう考えると年月を経て感慨深い。
編集Oさんに「あずきの絆」第一稿を送った際、
「大真面目にふざけているところは前から変わらない」
とご感想を賜った。(Twitterにも以前書いたけど)
私が歓喜したのは言うまでもない。
絵を手がけてくださった神保賢志先生、コミカルで懐かしい雰囲気のあるイラストをありがとうございます。
佳作受賞から13年目。
「あずきの絆 ぼくが図書室で出会った妖怪」岩崎書店
何卒宜しくお願い致します。