家電屋で、どこかの孫娘(推定2歳かわいい)が父に「ねえ、おじいちゃん」と袖を引いて話しかけていて、父は膝を曲げて「なんだ?」とどこかの孫娘(推定2歳かわいい)にこたえていたので、私が知らない孫娘がいるのかと一瞬錯覚。
「ひょっとしてうちの孫?」
と聞くと、知らない、という。
その子のお母さんが走ってきて、すみません、と謝って連れていった。
「びっくりだね、人懐っこいね」
私がほとんど感心して驚くと、父は、
「びっくりでもねえよ。前によぉ」
と、以前あったことを話してくれた。
母の買い物を、駐車場の車の運転席で待っていると、突然知らないおばさんが後部座席に乗り込んできて、バタンとドアを閉めると「はあ、疲れた!」と言ったそうなのだ。
「30分見ねうちに、母ちゃんはずいぶん変わったなあと思ったよ」
そのおばさんは、振り向いた父を見てぎょっとした顔をすると、泡食ってものも言わずに降りて行ったという。
「人懐こいおばさんだったんだね」
「違るど思う」
いろんな人がいて面白い。そして私も、おばさんのようなことをいつかやるかもしれない。