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兄妹愛

 

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今日は図書館で、2歳くらいのお子さんをガチ泣きさせるなどした。

3人兄弟の一番下の子。月に3回くらい見えられる。

お姉ちゃんとお兄ちゃんがお熱測定器をやっているので、その子も興味を示していた。いかんせん、背が足りない。

彼らの母親はお子さんたちの靴を片付けている(うちの図書館は土禁である)。

なので、抱っこして測ってあげようと「おいで~」と両手を広げて近づいた末の、前述である。

 

食われると思ったのだろうか。

 

ロビーいっぱいに響き渡る断末魔のような絶叫。

本来静かにしていただくことに尽力すべく図書館員(派遣)が、騒がしくする元凶となる由々しき事態。

消防隊員が放火する、というか、警察官がクスリに手を出す、というか、河童が溺れるというか。

 

お母さんが、慌てて私に謝りお子さんを抱き上げた。お子さんはお母さんの胸に顔をうずめて震えていた。

私とすれば、あ~あ、である。

もしくは、てへ、である。

そしたら、ここんちの姉弟、たいしたもんだよ。

4歳くらいの兄弟の真ん中の男児が、真面目な顔で「ぼくならいいよ」と近づいてきた。

なんと麗しき兄弟愛。妹が鬼婆に食われるよりなら自分が犠牲になろうという、どこかのアニメのようではないか。

おばちゃん、抱っこが趣味なわけじゃないんだけど、彼の心意気を汲んで、持ち上げて測定。

次にその子が「測ってみて」と私に言うので、測定器の前に立つ。

測定器無反応。

しんっとしている。

ずっと立っていた。なにこの状況って思いながら。

しびれを切らしたんだろうね。男児

「おばちゃん、生きてる?」

って。