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「お直しで大解決! ダーニングヒーローズ」5/11 文研出版

まあ私は不器用である。不器用斬り込み隊長である。

卵は黄身ごと殻を割る。珈琲の粉はドリッパーに入れる前にドリッパーにぶつけてそこいらじゅうに巻き散らす。ドアが開く前に入ろうとしておでこをぶつける。人間関係がうまくいかない。

幸いにも不器用っぷりを発揮する場面は犬が棒に当たる確率より高いため、まああらゆる面において遺憾なく不器用の有り余る才能を発揮できているわけだ。

 

昨年から、手芸関係を書き続けている。苦手なのに、しれっとした顔で、なんなら得意ですが何か、的な風情を醸し出してそれらしく書いている。

もちろん、お繕いは上手じゃない。嫌いじゃないけど。

そう、困ったことに手芸は嫌いじゃないのだ。ただ上手でもないのだ。

 

そして今回の新刊。

「お直しで大解決! ダーニングヒーローズ」

 

元気いっぱいで勝ち気な天然系の女子と、不愛想男子がお繕いを通じて町を救わんと「竜の目」と呼ばれる沼・ドラゴンアイに乗り込むのである。

ドラゴンアイは岩手県八幡平に実在する沼。

去年、実際に見に行った。

その日は6月上旬だったのに、みぞれが吹き付けていた。

死ぬかと思った。

雪中行軍、という四字熟語も頭に浮かんだ(四字熟語と言っていいのか)。

私はただ、紙に物語を落としたいだけなのに、なんだってこんな吹雪の中、泣きべそをかきながら雪をこいで行軍しているのだ。なんの懲罰か。私が何をしたというのだ、思い当たるふしが108つあって、絞り切れないじゃないか。

死ぬ気で行ったものの竜もまだ冬眠中だった。半眼だった。半分白目をむいていた。爬虫類だから寒いのは苦手だもんな、と思った。竜が爬虫類かどうかはさして検討しないままそう納得した。

 

当書はSDGSの意味も含めてある。

 

岩崎美奈子さんの絵が透明感があってとってもキュート。ジーッと見入ってしまう。特にウサギの可愛さは尋常じゃない。ありがとうございます。

編集のM氏、どうしようもない私の原稿に根気強くあたって道を作ってくださいました。大変にお優しくて、真剣にご指導くださいました。心底感謝しております。

文研出版から5/11発売です。

どうぞよろしくお願いいたします。