青森県にて小説と児童文学を書いています。  著作物は、右サイドバーの著作物一覧からご確認いただけます。よろしくお願いいたします。

傘とクワガタ

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駐車場で小学生男子ふたりが傘を力強く振っている。

何してんの、と声をかけると、傘をお猪口にするために振っていると言ったが、

私には、激しいノリの西川のりおのツッタカタ坊やにしか見えなかった。

両手で振ったほうがいいんじゃないの、とアドバイスすると、

なぜか私が見本を見せる羽目になってしまい、

クルマがバンバン通り抜けていく駐車場で、

傘を振り切る、ということを息を切らしながらやりました。

なかなかお猪口にならないことにしびれを切らしたか小学生2人は、

「こうしたらいいんじゃない?」「こうやってみて」と指導を始めた。

小学生にまでしごかれる40歳。

あれ、なんか立場違くね? と思いつつも、

熱心に振って振って振りまくった結果、お猪口にならず。

 

はたから見たら、西川のりおのツッタカタ坊やが錯乱したか、

どこぞの姫がご乱心したかとしか、見えなかっただろう。

 

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今朝拾ったクワガタ

彼らに、「ワタクシの不徳の致すところで、お猪口にできなくてすまない。これあげる」と、今朝いい天気の時に出会ったクワガタさんをあげたら、(一日中、図書館で飼って持ち帰ってきた)めっちゃ喜んでくれた。

てゆうか、初めからクワガタをあげてれば、公共の場であんなに力いっぱい傘を振り切ることはなかったような気がする。

……傘だけじゃなく、なんか大事なものまで振り切った気がする。