今朝のお散歩(といってもごくたまのお散歩兼徘徊)の途中、
散歩中の柴犬同士がすれ違う場面に出くわした。
真っ先に吠えかかったのは若そうな犬。駆け出しのチンピラっぽい雰囲気がある。
吠えられたのは脂が乗ってきた犬。若頭補佐っぽい雰囲気がある。
綱ピーンとさせながら、いくでいくで、と吠えるチンピラを尻目に、若頭補佐は
足元を確認し、おもむろにケツを低くして、お糞をされました。
飼い主のおじいさんはゆっくりとした動作で、若頭補佐のお糞をスコップで拾いました。
若頭補佐は非常に貴重なものを扱っている舎弟を見守るかのように重々しいまなざしで、泰然と見つめておられました。
チンピラの飼い主の女性は綱を引っ張りますが、チンピラの血気盛んさに水はさせていない状況のようです。
咳き込むほど吠えるチンピラを、若頭補佐は見向きもしません。それより自分がひしぎだした貴重品がどう扱われるかに全身全霊を注いでおられるようです。
おじいさんが「さあ行くべ」と小さく声をかけると、
若頭補佐は、何もなくなったそこに、後足で砂をかけます。
その後、いつか若頭に昇格するのを夢見て、東に向かって悠然と歩いて行かれました。
最後まで、ご自分のなすべきことに手を抜かなかった若頭補佐。
朝日によって長く伸びる影にわたくし感涙いたしました。
大変腹が決まっている。
喧嘩を売ってくる者を相手にしていません。
果たして動物は、このようにして人間に教えてくださるのです。
鼻息荒く食ってかかられても、気にせず糞をするぐらいの心意気を持て、と……(違うか)。