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映画における靴を脱ぐ時の、指示書

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一休み中。

 

昨日見た映画の中で、

女子高生が沓脱のところでスニーカーを脱いで、

そのまま靴下で一旦、沓脱に立ち、家に上がるというシーンがあって、

私はここを停止したのち見直す、ということをしておりました。

これは、この地方の文化なのか、それともこの少女の習慣なのか、監督さんがそうしろと指示したのか脚本家がそういう風に書いたのか、しばらく考えながら何度も見返していました。

いいとか悪いとかじゃなくて、単純に面白いなあと目を奪われたので。

もう一人の男子高生が登場することで、地方の文化、という疑問は消えました。

彼はスニーカーを脱ぐと、沓脱に立たずに上がりました。

私はこっちのやり方で生きてきたものですから一般的だと勝手に思っていました。

男の子のほうを停止・再生して見直すことはありませんでした。

映画は、淡路島の銭湯を舞台とし、くずもち屋の男子高校生の淡い恋と、50年後・老人になったその男子の初恋相手との再会を交互に描いていて、内容や話の流れは素晴らしかったです。

女子高生のくずもちのように透明な目と、落ち着いた低めの声がこの映画に合ってると思いました。

番台係が優しくて味わいがあり、惹かれました。

主演の笹野高史さんの「無言」場面の演技が素晴らしく、人間味がにじみ出ていて、お湯に浸かっているうつむいた背中が強烈に訴えかけてきます。

年齢に関係なく、湯気のように温かで切なく、セピア色の青春映画でした。

 

が、私の印象に強く残り、引き付けたのはどうにもこうにもあの靴の脱ぎ方でした。 

監督さんとか脚本家さんとか、その他もろもろの方々はどこまで指示するんだろう。どこからキャストの方に任せるんだろう。そういうのがとても気になりました。

 

 ちなみに、2012年公開になった「最強のふたり」という実話をもとにした映画があるんですが、あれで、舞台となっているこのお屋敷はどんな香りがするんだろう、ということが異様に気になっていました。なにしろ匂い立つほどの美しい豪奢なお屋敷でした。

内容としましては富豪の体が不自由な白人男性の介護に、貧しくて素行の良くない黒人男性が就き、お互いが人生に対して、自分の生き方に対して前向きになっていくというものです。

こういう映画にありがちの軽いお涙頂戴ものじゃなく、しっかりと地に足がついて

たくましく、そして押しつけがましくなく仕上がっていたところがまずもって大好感でした。(映画評論家じゃないのに語ってる)

私は主に、会話のやりとりを参考にしたくて映画を見るので、それについても本当に勉強になりました。